世界のコンピューティング史は、その影響力の大きさから、1940〜50年代は英米、1960年代以降は米国中心に語られることが多い。しかし、日本のコンピューティング史は、西欧中心のコンピューティング史の枠組みに収まらない特徴を持っている。特に、26文字のアルファベットを中心にした文字文化では容易に表現しきれない日本語の特性に起因する、パターン情報処理分野は、ユニークな開発思想によって先導された領域として知られる。この企画展では、こうしたパターン情報処理の分野において、京都大学で音声認識、画像認識、日本語情報処理などのパイオニア的業績を重ねた坂井利之研究室の貴重な技術史資料を軸に、貴重な歴史的文書やシステムの記録映像などを公開する。また、いまは失われたシステムの原理をわかりやすく再現したものや、この分野で最先端の情報処理技術を使ったシステムなど、来場者が実際に触れてみることのできる体験型システムを展示する。