
ふたりの女性が暮らす「見えない家」には、今日も小さな湯気が立ちのぼり、まな板の音がトントンと静かに響く。炊きあがったごはんの匂いと一緒に、ぽつりぽつりとおしゃべりがはじまる。——昨日、直売所で出会ったトマトの味が甘くてさ、——朝の散歩が本当に気持ちよかとよ〜、——でさ、子どもが靴下脱ぎ捨ててさ、誰かの暮らしにとっては、きっとなんでもないことばかり。だけどこの家では、それがごちそうみたいな話になる。そんな“見えない家”に住むふたりの名前は、まいにちまぜごはん/ハルと、marmelo/カリン。料理研究家とデザイナー。台所と生産者をつなぐ人と、暮らしを彩る人。ふたりの声が交わるたび、ふとんの中や洗濯物のそば、運転中の車のなか、いろんな暮らしのどこかに、やさしい風が吹く。すぐに役立つレシピじゃないかもしれない。すぐに答えが見つかる話じゃないかもしれない。だけど、きっと明日がちょっとだけ、やわらかくなる。そんな空気をお届けするのが、『おくらし』という名のポッドキャストです。